2022/11/30
とかちの
裏話
小麦粉の裏側物語
小麦粉が手元に届くまで
食育の講演をしてきました
はじめに
今回は、東京の「香川調理製菓専門学校」と弊社ヤマチュウとの取り組みについてお話させていただきます。
香川調理製菓専門学校は2018年から十勝総合振興局と包括連携協定を結び、毎年十勝の食材を使った製パン研修や、十勝への研修旅行を実施されています。
そこでヤマチュウは自社の小麦粉を提供したり、製粉工場の見学を受け入れたりしています。
コロナで2年ほど研修が実施できていなかったのですが、今年はようやく再開できました。
さらに、今年初めて、小麦粉の提供だけでなく、小麦粉の裏側について講演をさせていただきました。
今日はその講演や工場見学などの内容と、生徒の反応についてお話します。
北海道産小麦粉での製パン研修
今回の製パン研修では、ヤマチュウ提供の北海道産小麦粉「春の香りと青い空」「石臼挽き 全粒粉 スペルト小麦」を使って、『ショソン・ノワ』というパンを焼いていただきました。
北海道産小麦粉ならではのもっちりした食感に、スペルト小麦の香ばしい風味を生かした、ハード系のパンです。
実際に北海道産小麦粉を触ってみた生徒たちは、
「小麦が違うとここまで味や香りが変わるのは知らなかった」
「普通の小麦粉と違って香りが強く、美味しかったので今後も使いたい」
「今までどこの小麦とか意識していなかったけど、これからはどこで作られたのか、品種の違いによる香りの違いなども意識して確認してみようと思う」
との感想をくれました。
小麦粉の裏側についてのお話
製パン研修の後、140名ほどの学生に向けて、ヤマチュウの小麦粉が手元に届くまでのお話をさせていただきました。
日本は小麦粉の消費量のうち80%も輸入に頼っていること、
国産小麦の65%は北海道産、25%が十勝産であること、
十勝で育てられる小麦は6種類あって、それぞれたんぱく質の量や向いているパンが違うこと。
また、小麦は種まきから収穫まで10か月もかかり、母親のおなかの中のわが子のように育てられること、
天候や気温に小麦の量や質が左右されてしまうこと、
収穫後も弊社や製粉工場でたくさんの工程を経て、ようやく小麦粉になること。
こういう話をさせてもらいました。
生徒からは、
「今まで正直小麦をこぼしてもふけばいいや程度だったが、栽培工程や期間を聞いてもっと大切に扱わないといけないと思った」
「世の中に様々な小麦の種類があるのは、生産者さんの努力の賜物なのだと思いました」
「ヤマチュウの小麦粉は生産者さんの顔が分かる、お会いできる関係性を築ける点が魅力的だと思いました」
、、、などなど、嬉しい声をたくさんいただきました。
製粉工場見学
製パン研修と講演を聞いた生徒たちのうち14名が、9月末に弊社の製粉工場の見学に訪れてくれました。
生徒たちには、小麦の生育から小麦粉になるまでのすべての過程をビデオで見て、実際に小麦の粒や製粉後の粉を手で触ってもらいました。
「普段から使っている小麦粉ですが、こんなにも手間がかかるとは思いませんでした。なのにスーパーでは安価で売られていることに驚きました」
「何気なく使っている食材も誰かが頑張って作っていることを知り、一つ一つの食材を大切に使っていこうと思いました」
「将来自分の店を開くとしたら、小麦粉は北海道産を使いたいです」
来年はぜひ、小麦の収穫時期にきて、黄金色の畑で生産者さんとハーベスター(収穫の機械)に乗ってみてほしいです!
さいごに
これからパンやお菓子を作る道に進む生徒たちに、何を作るにしても欠かせない小麦粉について、生産者あっての小麦粉であること、いろんな人の手を介してようやく手元に小麦粉が届くことをお伝え出来てよかったです。
今後も専門学校と協力して、「つくるを食べるのもっと近くに」を広げる食育の活動を続けていきたいと思います!
ちなみに、女子栄養大学駒込キャンパス内には、「菓子工房プランタン」というケーキ、パン、焼き菓子の製造直売店があります。
商品はすべて、大学併設の香川調理製菓専門学校の製菓のプロ(教員)がプロデュースしており、実習期間中は、生徒が製造や販売までを手がけるそうです。
ヤマチュウの小麦粉を使った商品も時々並んでいます!
パンもお菓子も、とってもおいしいので、ぜひお立ち寄りください^^
たかしま ちさと
十勝の人と、食と、風景に惚れて、十勝の会社に転職した人です。
「つくるを食べるのもっと近くに」をモットーに、東京で十勝のおいしいものを届けるお仕事をしています。
趣味は農家さん、酪農家さんをまわることです。
https://www.yamachu-tokachi.co.jp/
たかしまさん
これから食に携わるだろう、料理人の卵、若者達への食育教育への尽力は非常に大切ですよね。
小麦の栽培から収穫に至る過程を、学生諸君にVRで体験させてみてはどうでしょうか?
臨場感が全く違います。
建設現場にホロストラクションVRで活用している新潟の建設会社でVRを初めて体験、その感動が残っています。
映画【大統領の料理人】のような、多くの料理人が【十勝を通して】育って行って欲しいと思っています。