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裏話

十勝の魅力を表す『ダブルスターマーク』

このマークは十勝ブランド登録製品に付ける「十勝ブランド登録マーク」です。十勝ブランド登録制度については以前にこのコラムでご紹介させていただきましたね。(ご覧になっていない方は2023年の6月21日の投稿をぜひご覧ください。)

本日は、そのマークの誕生ストーリーをご紹介いたします。

 

【十勝ブランドマークの誕生】

十勝ブランドの事業は、形を変えながら1999年から25年間続いていますが、最初のモデル認証の時にはシンボルマークは特にありませんでした。2007年、十勝ブランドに参加する事業者が主体となって本格認証を始める際に、高い理想を基準に据えたメンバーの間で「誇りを表すマークを作ろう!」という機運が盛り上がり、一般公募×人気投票でマークを作ることになりました。

 

【デザイン公募】

マークの条件などを話し合い、2007年7月、ホームページでデザイン公募を始めました。

 

当時の募集要項のヘッダー部分

 

  ■ イメージ要件 ■

  ・十勝の豊かな大自然と食糧基地である豊潤さを表現したものであること
  ・「美味しさ」に繋がる色調、イメージであること
  ・親しみやすく、一度見たら印象に残るインパクトをもつこと
  ・「十勝ブランド」の文字入り、文字なしを用途に応じて使い分けることができること
  ・図案は1cm×1cm程度に縮小しても使用可能であること。
  ・彩色は自由。ただし、白黒印刷しても映えるものであること。

 

ところが地元PRだけではなかなか応募数は伸びません。手分けして情報を聞き集めて「登竜門」というコンテスト情報サイトがあることを知り、そこに募集情報を公開したところ効果てきめん!全国各地から予想を大きく上回る155点の作品が集まりました。

当時十勝ブランドに参加していたチーズ8社、パン13社でまずは○、×5個ずつの予備投票を行い、次にそれを踏まえて十勝ブランド幹事会で5点に絞り込みます。最初に1点1点を全員で見ながら、誤解を招いたり他者の権利を侵害したりする恐れのあるものを除きました。製品パッケージに合わせてみて、見栄え、視認性、調和性などを見ながら系統別に分類し十勝ブランドのイメージに合うものを選んでいくのですが、どれも十勝の魅力を掘り下げた秀逸なものばかりで意見は割れるばかり。1つに惚れ込んでしまって「このデザイン以外は認めない!」と言い張るメンバーもいたりして議論は白熱…、夜遅くまで喧々諤々の協議を重ね、ようやく最終選考の5点を決定しました。

 

【人気投票】

 

 

8月29日、十勝毎日新聞一面に広告を載せて人気投票が始まりました。応募資格は十勝管内在住者のみ。選ばれたマークに投票した方の中から抽選で十勝ブランド商品券などの景品が当たります。もしご自分が投票するとしたら、どれがお好みでしょう?担当の私も久しぶりに改めて見るとそれぞれに良さがあって「こちらのマークだったら今頃どう変わっていただろう?」なんて想像してしまいます。投票ははがき、メール、FAXで受付けていましたが当時ははがきが圧倒的に多く、事務所に毎日はがきの束が届き、集計するたびにトップが入れ替わるので毎日ドキドキしていたのを覚えています。

 

最終的に401票の投票が集まり、結果は

 

【1番】 85票  【2番】 76票  【3番】 100票  【4番】 32票  【5番】108票

 

3番と5番のデッドヒートの末、5番のデザインが僅差でトップを勝ち取りました。作者のM.Sさん(東京都在住・会社員)には最優秀賞の賞金5万円が送られ、デザインの権利一切を十勝ブランドにお譲りいただきました。

 

【最終デザイン】

図形のみで商標登録するために文字部分を除いて、地元デザイナーがマークとして使えるように修正を施します。小さく印刷しても角が潰れないようフォルムを微調整し、一般的な印刷やディスプレイで再現できる色に修正して色番号などを設定し、表示例も作成して最終デザインを発表しました。

 

 

【商標登録】

同年10月19日に新聞発表と同時に商標登録出願し、翌年6月、十勝ブランド認証が想定される加工食品の種類をほぼカバーする4つの分野で商標登録されました 。ちなみに商標は、下図のように白黒版の図形のみで登録されています。白黒にすることで、例えば色を変えて真似た場合も「類似」とみなされるなど、一番広範囲に権利を主張できると弁理士さんに助言いただきました。

 

 

独占するためというよりは、他者の権利を知らずに侵害してしまったり、他者に権利化されて使えなくなったりするのを防ぐための登録で、コピーされるほど有名ではないはずでした。ところが、ほどなくして星の位置が違うだけのとてもよく似たシンボルマークを使ったお店がOPENして、関係者の間でちょっとした騒ぎになったこともありました。弁理士さんによると「星の位置が違うので権利抵触には当たらない」という見解で、先方にこちらの存在を通知して混乱なく共存するための告知文書を送るだけで決着しました。

登録した権利は10年間でしたので2018年に更新手続きし、2019年に今の十勝ブランド登録制度になってからも「十勝ブランド登録マーク」として使われ続けて、現在に至っています。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

街のどこかでこのマークを見かけたら、十勝を愛するたくさんの方が関わった誕生ストーリーを思い出していただければ幸いです。

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とかち財団

とかち財団は、十勝のものづくりを応援するための公益財団法人です。
活動のひとつとして、十勝の材料を使った十勝産加工食品をPRする「十勝ブランド登録制度」を実施しています。チーズ、パン、スイーツ、乳製品、肉加工品、調味料…などなど、魅力たっぷりの商品が多数登録されており、参加工房とともにいろいろなPR事業を行っています。

https://www.tokachi-brand.jp

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